
テレビの購入を検討中。ネットで調べていたら『Mini LED採用』と宣伝してあったんだけど、Mini LEDを採用するとどんなメリットがあるの?分かりやすく教えて欲しいな。
こんなご質問にお答えします。
・Mini LEDのメリットが分かります
・Mini LEDを採用したおすすめモデルをご紹介します

映像機器の設計・開発エンジニアのうましが解説します。
Mini LEDについて
テレビのカタログを見ていると
「Mini LED採用」
こんなアピールを目にすることも多いかと思います。今回は、Mini LEDを採用することでどんなメリットがあるのかを映像機器の専門家の視点から難しい表現はできるだけせずに分かりやすく解説させて頂きます。
液晶テレビは黒を表現するのが苦手
テレビの「画質の良さ」は、何を基準にしているかご存じでしょうか?
・あざやかできれいな色彩
・動きが速い映像も乱れずなめらか
このような要素も画質の良さには重要です。しかし、液晶テレビの画質の良さを判断する際に重要な1つの基準があります。それは「黒をどれだけ黒く表現できるか」ということです。
「黒は黒だろ?どういう意味?」と感じた方もおられるかもしれません。実は、液晶テレビは、その構造から黒を表現するのが苦手という特徴があります。液晶テレビは、次の図のようにバックライトで光を当てることで映像を映しています。
液晶テレビの構造
画像引用:パナソニック
光を当てるので映像の黒い部分も多少は白くなってしまいます。ちなみに、余談ですが高価格なテレビで採用されている『有機EL』は、バックライトではなく画面に並べられているドット1個1個がそれぞれ光ることで映像を表現するため、完全なる黒を表現することができるという違いがあります。
バックライトの方式は大きく分けて2つ
Mini LEDを解説する前に、もう少しバックライトについて解説させて頂きます。バックライトには、大きく分けると『エッジ型』と『直下型』の2種類に分けられます。
エッジ型は、側面にバックライトを配置するため薄型のデザインにしやすい反面、映像が白っぽくなりやすいという特徴があります。
直下型は、色のメリハリ(コントラスト)が高い黒を強調した映像を楽しめますが、厚みのあるデザインになりやすいという特徴があります。
直下型のハイグレード版がMini LED
先ほど、エッジ型よりも直下型の方が構造的に「黒を黒く表現しやすい」とご紹介しました。直下型のハイグレード版で、使用するバックライトに小さいLED(Mini LED)を採用することでさらに細かい範囲ごとに明るさを制御することができるようになり、黒い部分が白くなることを抑えるのが『Mini LED方式』です。
左:通常の直下型 / 右:Mini LED
画像引用:ハイセンス
Mini LEDのデメリット
黒をより黒く表現できることで、引き締まった映像が楽しめるMini LEDですが、気になるのはやはり『価格』です。Mini LEDを採用した4K液晶テレビは、どのメーカーも高価格帯のハイグレードモデルに採用しているため液晶テレビとしては、かなり高めの価格設定になっています。
同じメーカーの低価格帯のモデルと比較すると2~3倍以上も高いモデルもあります。やはり、Mini LED採用モデルの価格は気になるポイントです。

Mini LEDのことが分かったよ。ちなみにMini LEDのおすすめモデルとかあるの?

Mini LEDを採用したおすすめの3モデルをご紹介します!
Mini LEDを採用したおすすめモデル3選

気になる商品はリンク先から『購入者のレビュー』だけでもチェックすることをおすすめします。貴重な情報が含まれていることがあり、意外に勉強になりますよ!
ブラビア X95Kシリーズ
大人気のSONYの4K液晶ブラビアブランドのフラッグシップ(最上位)モデルです。高画質を楽しむための様々な機能をぜいたくに採用しているので臨場感のある映像を楽しむことができるシリーズです。
◆サイズ
・65V/75V/85V型
ハイセンス U9Hシリーズ
東芝テレビのレグザをグループ会社に買収するなど勢いがある中国企業のハイセンスのモデルです。Mini LEDと『ローカルディミング方式』を組み合わせることにによって、LEDの1個1個の明るさも細かく制御することで高いコントラストを実現します。
◆サイズ
・65V/75V
TCL C835シリーズ
テレビの出荷台数世界2位(2019年)という実績を誇り、世界中で愛されるTCL(中国企業)のモデルです。サブウーファー内蔵のシリーズで高画質だけではなく高音質も楽しめるシリーズです。
◆サイズ
・55V/65V