夫婦が俺の金、私の金と言ってけんかをする理由|心の会計

恋愛と結婚

夫婦が俺の金、私の金と言ってけんかをする理由|心の会計

こんな人に向けた記事です
・俺の金、私のお金とケンカしてしまう
・なぜ人間はお金に色を付けたがるのか知りたい

うましです。妻とは結婚して8年経ちますが独身時代と変わらず仲良く暮らしています。

僕は妻とお金でもめるのが嫌で、妻(専業主婦)に給料は全部渡して、やりくりしてもらっています。これはご家庭の都合があるかと思うのでこのことが良い悪いというつもりはもちろんありません。

しかし、共働きをしている既婚男の友人達と酒を飲むといつも友人の口から出てくる愚痴があります。

「妻は俺の金ばっかり使いたがる」
「妻の金も出して欲しいよ」

共働きしていて僕達夫婦の世帯収入よりも多い夫婦なのにお金でのケンカが絶えないようです。

この「俺の金」「妻の金」という考え方は行動経済学(行動ファイナンス)という学問で定義されている「心の会計」という作用が働いているからです。簡単にまとめてみたので、ぜひ読んでもらえるとありがたいです。



行動経済学(行動ファイナンス)とは

「行動経済学(行動ファイナンス)」とは簡単に言うと、お金に関して人間はロボットのように正しい判断ができるわけではなく、お得な方を選ばずに自分から損するような行動を選んですることがあるということをまとめた学問です。

例えば、スーパーの半額のそうざいは200~300円くらいの割引でもすごくお得に感じるのに、自動車の購入で500円値引きしてもらっても全然お得には感じません。しかし、不思議なことに後者の方が値引額が大きいはずです。

実は人は価格差ではなく、比率差でお得に感じるようにできており、これは行動経済学では比率差原則と呼ばれます。

このように、AもBも一緒なのにAがお得に感じたり、CとDではCがお得なのに損するDを自分で好んで選択したりする。そんな変な行動をなぜ人間はするのか?というのを科学的に分析したものが行動経済学(行動ファイナンス)です。

心の会計とは

よくドラマや映画で「金にきれいも汚いもない」のようなセリフが出てきますね。お金自体に「個性」なんてないはずです。しかし、次のようなことを考えたことがありませんか?

・児童手当は子供のために使うべき
・臨時収入が出たから、パーッと外食でもしよう
・両親が残した遺産は大切に使いたい
・きついバイトで稼いだお金は大切に使いたい

これらは、お金に「個性」を付けられたパターンです。別にそう使わないといけないわけではないのに人はこのように勝手にお金に個性を付けたがります。

これが「心の会計」です。

例えば、旦那さんがパチンコで2万円負けたとします。次の2パターンの印象は同じでしょうか?

(A) 食費を持ち出して2万円負けた
(B) 児童手当を持ち出して2万円負けた

金額で考えると食費も児童手当も同じ「2万円」ですが、(B) の方が最低な感じがしないでしょうか?これは児童手当は「子供のために使うべき」という個性を持ったお金だからです。児童手当を持ち出した旦那さんは

「金を持ち出した」+「それは子供のための金」

と、より最低な印象を与えやすくなります。これは人間がロボットと違って心でお金を分別しているからです。

心の会計で夫婦はギクシャクする

実はこの心の会計は思っている以上に夫婦関係をギクシャクさせて、場合によっては崩壊させてしまう場合も少なくありません。特に共働きかつ、財布を別にしている家庭でその傾向が強くなります。

どちらが得た収入か?で「旦那の金」「妻の金」と個性を持つためです。そして、支払いの時にこのような会話が起こりやすくなります。

「車は俺が払ったから俺のものだ」
「なんで税金を私が払わないといけないの?」

共働きの友人達を見ているとよくそんな愚痴がこぼれます。世帯収入は僕の家庭よりも多いのにいつもお金のことで夫婦げんかが絶えないのを見ると

「お金があれば、幸せになれる」

というのは必ずしもそうではないんだなとつくづく感じます。

そのため、最初にご紹介したように僕は妻に全部管理してもらい必要な時にもらうシステムにしています。そのこともあってか、僕と妻は金でケンカすることはほとんどありません。

しかし、我が家でもお金でもめそうになることはあります。

・親族からもらったお祝い
・妻が入院して下りた保険金

こういった収入があると、「どう使うか?」という話し合いで、けんかになりそうになることはあります。例えば、次の車検の支払いについて妻から相談があった時に僕が

そういえば、こないだ実家(妻の)から出産祝いをもらったよね?それを足して今度の車検を通せばいいじゃん

こんなことを言うと妻は間違いなくムスッとします。しかし、妻の反応は人間らしい当然のことです。これはまさに「心の会計」が作用している状態で、旦那の給料やボーナスで車検を通したり税金を払ったりすることに抵抗がない妻でも、自分の実家からもらった出産祝いで車検など通したくありません。当然子供のために使いたいと考えます。

心の会計というものを知っていると事前にそれを予測できるので、夫婦間のトラブルを避けることができます。

相手の気持ちを予想してけんかを回避する

今回は心の会計をご紹介させて頂きました。心の会計を知っていると

「相手はこのお金に対して心の会計が働いて強い想いがある。ここは譲ろう」

と相手の考えを予想して夫婦のけんかを回避できる可能性も高まります。その代わりに、相手がこだわっていない別のお金をこちらにまわしてもらおうという戦略も立てることができます。

心の会計を理解したからといって夫婦関係のお金の問題が全て解消するとは思えませんが、知っているのと知らないのではケンカの回数もかなり変わるかと思います。

行動経済学に興味を持たれた方は『行動ファイナンス入門』という本でとても分かりやすく解説してあるのでぜひ参考にしてください。