現金配りで流出する個人情報の闇|情弱リストや詐欺

社会問題

現金配りで流出する個人情報の闇|情弱リストや詐欺

近年、SNS上でなぜ「現金配り」が行われているかをご存じでしょうか?善意や寄付のような意図で行われる場合もありますが個人情報を盗まれたり詐欺にあう場合も少なくありません。今回は2つのケースを元に「現金配りの闇」をご紹介します。

情弱リストに入れられるケース

佳奈さん(仮名:28歳)

「まさか私が情弱リストに入れられるなんてね」

Twitterをしていた時、あるYouTubeで活躍する有名人の名前のアカウントでこんなツイートを見つけたのよ。

「現金2億円用意しました。100万円を抽選で200人に配ります」

私はそれを見て思ったの。簡単に大金がもらえるのなら応募だけしてみようかなって。応募方法は簡単。そのアカウントをフォローして特定のツイートをRT(リツイート)するだけなのよ。当たればラッキーだなって思っていたら10分もしないうちにそのアカウントからDM(ダイレクトメール)が来たのよ。

「おめでとうございます!あなたは100万円の抽選に当選しました!」

私は「うそー!ラッキー!」って興奮してしまったの。そのDMには続きがあってね。

「詳細の手続きはLINEで行いますので次のリンクからLINEの友達登録をお願いします」

そう指示がされてた。興奮していた私はすぐにリンクを押して指示されたLINEのアカウントと「友達」としてつながったの。その後、そのアカウントからの連絡はなくなってお金は支払われなかった。TwitterのDMを送っても返信なし。「なんだ、ウソだったのか。まあ、お金をだまし取られたわけでもないからいいか」くらいに思っていたのよ。でもね、それから気になることがあるの。

最近DMでものすごく怪しい融資とか副業、投資、FXの勧誘がめちゃくちゃ増えたのよね。

これは何かおかしいと思って調べてみたの。するとSNSを利用した悪質な現金配りの手口が紹介されていたわ。Twitterで現金配りの宣伝をしてLINEでつながって何百人、何千人のリストを作成してそれを「情弱(情報弱者)リスト」として販売するらしいの。この手口に引っかかった人達はだましやすかったり、お金に困っている人達だからそのリストは「いろいろな活用方法」があるのよ。その情弱リストは数百万円、場合によっては1,000万円を超える価格で取引されているらしいわ。

私のLINEやTwitterのアカウントは「こいつはだましやすい」というリストに入れられて悪質な業者の手に渡ったから大量の勧誘のDMが送られてくるようになったってわけ。アカウントを作り直したいけど手間もかかるからそのままにしているけどね。単純に考えると何のメリットもなく現金なんて配らないから。甘い話の裏には必ずカラクリがあるのよ。

アプリから課金させられるケース

大輔さん(仮名:25歳)

「まさか詐欺にあうなんて思わなかったよ」

俺は日常的にTwitterを使っているんだけどさ。ある時「応募者から1,000名に抽選で10万円プレゼント」って書いてあるアカウントを見つけてね。応募方法はフォローと特定のツイートのRT(リツイート)だけで良いとのこと。こんな手軽に10万円が手に入るのなら応募だけするかと考えて軽い気持ちで応募してみた。

そして応募してから1時間が過ぎた頃だったかな。そのアカウントから「あなたは当選しました」というDMがあったんだ。これから賞金10万円の振り込みの手続きに入るということで「あるアプリ」をインストールするように指示された。俺は興奮して冷静さを失っていた。「早く賞金が欲しい」という欲望に負けてそのアプリをインストールしてDMで「アプリをインストールしました」と返信した。

するとまたDMが来てアプリの設定画面からクレジットカードの番号とセキュリティーコードを登録して1万円をアプリに課金するように指示された。後からその課金分も含めた11万円が支払われるということだったから俺はアプリで1万円の決済を行ったんだけど決済を無事に終了するとそのアプリは起動できなくなった。TwitterからDMを送っても返信はなかったよ。そして俺のカードには1万円の利用履歴が残った。俺は現金をもらうどころか逆に1万円だまし取られてしまったんだよ。普通に考えてなんで赤の他人に大金を渡すんだって話だよね。甘い話には裏があるんだよ。

【参考】
追跡!ネット広告の闇 “アカウント売買”~気づかぬうちに個人情報が売りさばかれる~(NHK:クローズアップ現代)