貧困ビジネス|ホームレスに生活保護を受給させる囲い屋

社会問題

貧困ビジネス|ホームレスに生活保護を受給させる囲い屋

博さん(仮名:48歳)

「ホームレスは抜け出せたけど複雑な気持ちだよね」

俺は元々会社員をやっていました。しかし、うつ病で精神的に不安定になってから会社を退職して無職が続いたことで貯金が底をつき、ホームレスになって路上で生活をすることになったんだ。路上に出た俺はゴミ箱をあさって雑誌を販売して小銭を作ったり、食べ物を見つけて飢えをしのぐ生活をしていたよ。

路上での生活は本当に大変。夏はまだ良いけど冬はとにかく寒くて耐えられない。さらに危険なことも多くて数か月前にはホームレス仲間の1人が不良少年に面白半分になぐられて命を落とした。だから俺はどうにか路上の生活から抜け出したいと考えていたんだよ。

そんなある日のこと。俺はホームレス仲間の1人にこう誘われたんだ。

「公園でおにぎりをタダで配っている男がいるらしいぞ。お前も行かないか?」

俺もその公園に行ってみた。すると優しそうな男がホームレスにおにぎりや炊き出しを配っていた。その男は笑顔で俺にも声をかけてきた。

「さあ、どうぞ。路上での生活は大変でしょう?遠慮されずに食べてくださいね」

俺にはこの「マエムラ」という男が神様に見えたよ。俺は彼に感謝しておにぎりを受け取った。残飯ではないご飯を久しぶりに口にした俺は自然と涙が出たよ。

マエムラは翌日、そしてその翌日も毎日公園でおにぎりを配るようになった。俺やホームレス仲間は次第にマエムラに心を開くようになり、マエムラと僕達は冗談を言えるくらい親しくなっていったんだ。

ある日のことだよ。マエムラがこんなことを言った。

「みなさんにとても良いお話があるんです。私の言う通りにしてもらえると路上生活を抜け出して温かい部屋で生活ができます。ぜひホームレスのご友人をたくさん集めて「ここ」に来てください」

俺は「ついに路上生活を抜け出せる」とマエムラに感謝してホームレス仲間に「マエムラのこの話に乗らないか」と声をかけた。

そして俺は5人のホームレス仲間と一緒にマエムラから「ここに来てくれ」と指示されたアパートに向かった。待ち合わせのアパートは築40年以上の老朽化が進んでボロボロのものだった。俺と5人の仲間は6人で共同生活するための1部屋をマエムラから与えられた。1ルームの部屋には2段ベッドが3つ置かれていた。古いけどエアコンもある。

「ここでみなさん共同生活をしてください。風呂とトイレは自由に使ってもらって結構です。食事はカップラーメンを毎日3個支給します」

こうして俺達は温かい部屋と食べ物、風呂とトイレのある「人間らしい生活」を確保することができた。しかし、喜んでいる俺達にマエムラはこう続けたんだ。

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