いじめで自殺した子供の親|学校の調査が不十分だった話

社会問題

いじめで自殺した子供の親|学校の調査が不十分だった話

真司さん(仮名:40歳)

「息子の心のさけびをもっと真剣に聞いてあげるべきだった」

私の息子は殺されたんですよ。息子は高2の時に自ら命を絶ったんです。

息子は妹の面倒も見てくれるし、周囲が円満になるようにと気を遣うことができる優しい性格の子でした。しかし、サッカー部に入っていたし、スポーツマンで活発なタイプだったから、まさか息子が「いじめ」の対象になるなんて想像もできなかった。

いじめのきっかけですか?部室で先輩の財布がなくなったんですよ。その被害者の先輩にも問題があったんだ。ロッカーに鍵もかけずに放置していたらしいからね。その被害者の先輩が「財布を盗んだのはうちの息子だ」と決めつけたことがいじめのきっかけでした。

うちの息子はお金を盗むようなタイプでは決してありません。しかし、その先輩は「うちの息子が絶対に犯人」と言い切ったようで、他の部員達と一緒に息子に対して嫌がらせをするようになったんです。

最初は一緒に練習する時に仲間外れをするくらいのネチネチした嫌がらせで済んでいたようですが、次第に過激になっていき、冗談半分で殴る、蹴るなどの暴力行為をするまでになったと聞きました。

息子は「すぐに嫌がらせは終わる」と信じてずっと耐えていたようです。私たちには辛い素振りなんて一切見せませんでした。優しい息子のことだから私たちに心配をかけたくなかったのでしょう。

しかし、ある日、妻が息子のバッグの中を見た時に「早く死ね」「泥棒」と書かれたメモを見つけたんです。そのメモを妻が私に見せた時、私は初めて「息子がいじめられているのでは?」という疑問を持ちました。

翌日、私と妻は学校に訪問して、教頭先生に相談しました。教頭先生は困惑したような表情を浮かべたものの「最善の対処をする」と私たちに約束をしてくれました。さらに翌日、学校内での調査が実施されて、学校側の回答は「いじめの事実ない」と息子のいじめに対する対応を打ち切ってきた。

実はこの頃はまだ息子がいじめられているという確証が私達にはなかったんです。息子に何度問いただしても「いじめられてなんていない」と答えていました。きっと、恥じらいもあったのでしょう。本人もそう主張するので学校側に強気で出ることができなかった。

実際には私たちが学校に訪問したことを知った被害者の先輩が「チクった」とさらに怒り、いじめが継続して行われ続けました。それでも、息子はずっと1人で耐え続けていたんです。そして、最終的にあのような結末を迎えてしまった。

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