HDMI、Displayport、DVI、RGBはどう違うの?技術的な難しい話は分からないから簡単に違いが知りたい・・・
ハードウェアエンジニア歴15年で、HDMI機器の設計・開発をしている映像のプロが、シンプルに違いを解説します。
HDMI/Displayport/DVI/RGBの違い
うましです。今回は、難しい技術的な解説はさけて、実際に使用する方に違いを理解してもらえるように、HDMI、Displayport(以後DP)、DVI、RGBの違いを分かりやすくご解説します。
まずは、以下の表を見てもらえると、おおまかな特徴をつかんでもらえるかと思います。
HDMI | DVI | DP | RGB | |
映像 | ● | ● | ● | ● |
音声 | ● | – | ▲ | – |
4K | ● | – | ● | – |
フォーマット | デジタル | アナログ |
HDMI
パソコン用のモニターからテレビまで、幅広く採用されている規格で、現代の映像関係のインターフェース規格としては、間違いなく1番普及しています。HDMIの大きな特徴は、1本のケーブルで映像と音声の伝送を可能にしている点です。『HDMI1.4A』『HDMI2.0』『HDMI2.1』の3つに分けられます。
HDMI1.4A
ハイビジョン(1080p = 1920×1080)のテレビやモニターが採用している規格です。1080pは144Hz、4K 30Hzまでをサポートしています。
HDMI2.0
1080pは240Hz、4K 60Hzまでサポートしています。
HDMI 2.1
8K時代を考慮した規格で、8K 60Hzまでサポートしています。
CECの利点
HDMIの大きな特徴の1つが『CEC』という機能です。「CECという言葉は聞いたことがない」という方も『レグザリンク』『ビエラリンク』という言葉は聞いたことがある方も多いかと思います。
これは、テレビのリモコンを使用して、HDMIで接続しているブルーレイやAmazonのFire TV Stickを操作することができる機能です。もしも、HDMIにCECがなければ、ブルーレイなどの別の機器は、それ専用のリモコンで操作しなければなりません。CEC機能を活用することで1つのリモコンによって他の機器の操作を可能にしています。
この『○○リンク』は、レグザとビエラのようにメーカーが異なっても動作する場合がありますが、うまく制御できない場合が多いので注意が必要です。
DVI
実は、DVIとHDMIは兄弟のような存在で、HDMIはDVIをベースに作られた規格です。DVIはHDMI、DP、RGBと異なり、コネクタの形状にたくさんの種類があります。
まずは『シングルリンク』と『デュアルリンク』に分けられます。
◆シングルリンク
・WUXGA(1920×1200)まで
◆デュアルリンク
・WQXGA(2560×1600)まで
左:シングルリンク
右:デュアルリンク
さらに、DVIはアナログ信号もサポートしている仕様があります。詳細は省略しますが、DVIで注意してもらいたいのは、コネクタやケーブルのピン仕様がたくさんあるので、ケーブルの選定を誤ると機器を接続できない場合がある点です。
次の画像のように、アナログ非対応のDVIコネクタには、アナログ対応のDVIケーブルはアナログピンが当たって接続できません。パソコンとモニターのコネクタ形状を確認してから適切なケーブルを選択してください。
左:アナログ非対応コネクタ
右:アナログ対応ケーブル
※4つのピンが当たり接続不可
画像引用:EIZO
Displayport
DPは、DVIに置き換わる規格として考案されましたが、HDMIと比較するとどうしても影が薄い存在になっています。HDMIと同じく、映像と音声を1本のケーブルで伝送することができる規格ではありますが、音声は完全に対応というわけではなく、対応/非対応の機器があるので注意が必要です。
テレビで採用されていることは少ないので、どちらかというとパソコンやモニターで見かける機会がほとんどかと思います。DPは現在は『DP1.4』と『DP2.0』があります。
Displayport1.4
1080pは240Hzまで、4K 144Hzまで対応している規格です。
Displayport2.0
8K 60Hzまで対応した規格で、今後の普及が期待されます。
RGB
他の3つの規格がデジタルだったのに対して、RGBはアナログ規格になります。2015年くらいまでにはRGBは終了し、HDMIやDPに移行していくという業界の雰囲気があったものの、2021年現在でもRGB搭載の機器は多いです。
アナログであるため、画像がデジタル規格と比較するとおとります。物体と背景など境界が鮮明ではなく、程度はありますが、デジタルよりもRGBはぼやっとします。
また、最適な状況にセットアップするために、『オートアジャスト』をする必要があり、手間もかかります。そのため、お使いの機器がHDMIやDPに対応しているのであれば、そちらをメインで使用して、RGBは補助的に使用することをおすすめします。
HDMIとDisplayportはどっちが良い?
この論争は無数に行われていますが、結論から申し上げると『どっちでも良い』です。ただ、それだけでは味気ないので選ぶ際のポイントをご紹介します。
HDMIが有利な点
汎用性があり経済的
4KテレビではDPは搭載されていない製品の方が多いです。そのため、ご自宅を全部HDMIで統一してしまうとHDMIケーブルをいろいろと使いまわすことができます。また、DP用ケーブルは高価な場合が多いので、「安く済ませたい」という方にはHDMIが向くケースが多いです。こだわりがなければ、汎用性が高いHDMIをおすすめします。
Displayportが有利な点
抜け防止がある
DPにあって、HDMIにないのが、『ケーブルの抜け防止』です。実際に僕は、今まで接続したHDMIケーブルが抜けたことは経験したことがありませんが、「用心のために抜け防止をしっかりとしたいからDPが良い」という方はよく見かけます。DPはロックすることができるので、意図しないケーブルの抜けを防止することができます。
距離に強い
DPは距離に強いというメリットもあります。1080pの解像度、イコライザなしケーブルを使用した場合は、HDMIの場合は5m前後が限界と言われていますが、DPは15m程度は伝送できると言われています。
参考にしてもらえるとありがたいです