中卒を理由に恋人の親から交際や結婚を反対された話
「こんな差別みたいなことを受けないといけないのか」
蓮斗さん(仮名:24歳)
僕は高校を中退しているんです。しかし、それが原因でここまで差別のようなあつかいを受けることになるなんて思いませんでした。
僕は地元のヤンキーが集まるような高校に入学しました。入学式の数日後、すぐにタバコが見つかって停学になったんですけど、これがきっかけで高校に行かなくなったんです。
あっという間に出席日数が足りなくなって1年生の夏休み前には留年が決定しました。その頃は悪ぶっていた時期だったので
「こんなクソみたいな高校はやめてやる」
そう担任に捨てぜりふを吐いて、僕は高校を退学しました。高校をやめたばかりの15歳のガキが就職できる仕事なんてほとんどないからですね。両親が叔父に頼み、叔父が経営する土木会社でお世話になることになったんです。
これが嫌で嫌で仕方なかった。叔父はとにかく怒鳴る。ヘルメットの上から工具でなぐられたこともありますよ。でも、仕事をやめても僕には次がないから我慢するしかなかった。
しかし、叔父の会社で1年経ち、2年経ち・・・僕が18歳の時、会社の事務所で叔父にこう頼まれました。
「お前を俺の後継者にしたい。次期、社長になる気はないか?」
叔父は結婚してはいたのですが、子供がいなかったんです。だから、僕に会社を継がせようと考えたんです。僕は両親と相談し、叔父の後継者になることを承諾しました。叔父は心から喜んでくれました。
プライベートでは、19歳の時にある女の子と知り合いました。名前は由美(仮名)という名前で、同じ年で、背が小さくて、笑顔が印象的な女の子でした。友達の紹介でした。
由美はその時、短大の2年生。実家から通いながら、保育士を目指していました。黒髪のショートカットで大きな目が素敵な女性で、僕はすぐに由美にひかれたんです。
3回目のデートの後、僕達は交際を開始しました。由美はすごく慎重な性格でした。だから、僕はあせってはいけないと心がけて交際しました。
そして、由美は短大を卒業後、保育士として就職。僕達が共に23歳になった頃、僕は少しずつ由美との結婚を考えるようになりました。もう4年も交際していましたからね。
僕はいきなりプロポーズをするのではなく、由美にこう相談しました。
「1度、ご両親にあいさつさせてくれないか?」
由美はドキッとした表情を浮かべましたが、由美はにっこりと笑ってこう答えてくれました。
「うん、両親に確認してみるね」
僕は由美のご両親にあいさつすることで、由美との結婚に1歩近づけるという喜びを感じる反面、気を引き締めました。
(絶対に由美のご両親には失礼がないようにしないと)
僕は、悪ぶって高校を中退してしまったけど、叔父の会社で一生懸命まじめに仕事を頑張ってきました。
(こんな僕も人生をやり直せたんだ)
しかし、予想しない事態が僕を待っていたんです。まさかこんなことになるなんて思いもしませんでした。