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ホストの悲惨な末路|歌舞伎町の狂った世界でイヌと呼ばれた男|きつい仕事

読み物

こんなこともありました。その日はすごく体調が悪くて、熱が39℃もありました。

(今日はさすがに出勤できないな)

店長に「今日休ませて欲しい」と連絡をすると、店長は予想もしないようなことを口にしました。

「は?イヌが出勤しないなんて話になんねーよ。出勤しろよ。じゃーな」

その日、僕は39℃の熱があるのに出勤させられて、先輩のヘルプとしてシャンパンの一気飲みをさせられました。しかし、その日はさすがに無理でした。

その場で戻してしまったんです

テーブルの上にあったお客様のバッグに僕のゲロが付きました。

「きゃあ!汚い!」
「おい!てめーなにしてんだ!」

僕はそのまま先輩と店長に店の裏に連れて行かれて、腹を思いっきり5発なぐられました。体調が悪い僕にシャンパンの一気なんて無理に決まっているのに。

そのお客様のバッグは僕が弁償することになりました。なんと、40万円。僕は消費者金融でキャッシングをしてお金を作りました。

入店して2か月が過ぎた頃。僕にも指名客ができました。梨花(仮名)という風俗嬢で、すごく太っていて、顔も良くありませんでした。さらに手首には自傷行為の跡が無数にありました。しかし、僕にも指名客がようやくできてうれしかったんです。

梨花は来店すると、いつも20万円ほど使ってくれました。毎回「売掛け」です。月末にまとめて払うということでした。売掛けはホストの世界では珍しくないと聞いていましたからね。

もう予想できますよね?梨花は逃げました。俗に飛んだんです。

梨花の売掛けは300万円を超えていました。客が売掛けを払わない場合はホストが支払うのが夜の世界のルールです。しかし、僕はそんな大金は用意できません。

だから、僕も逃げたんです。今は大阪の繁華街でフリーターをしながらどうにか生きてます。

ホストの世界。もっと良いものだと思っていました。まさか、自分が『イヌ』と呼ばれて、こんなに悲惨な目にあうとは思いませんでした。ふと、店のナンバーワンの言葉を思い出しました。

モテたくてホストになるんじゃない。モテてモテてしょうがないからホストになるんだ。順番が逆だ

この言葉が真実だったんですよ。華やかなホストの世界で成功できるのは本当にひと握りです。僕は夜の世界に飲み込まれてしまったんです。