ホストの悲惨な末路|歌舞伎町の狂った世界でイヌと呼ばれた男
海斗さん(仮名:21歳)
「本当に狂った世界だった」
僕は地元の福岡県の高校を卒業後、実家に住みながらコンビニの深夜のバイトをしていました。しかし、20歳になった頃、僕が興味を持った職業があります。
「ホスト」
テレビ番組やYouTubeでも良く取り上げられますよね。華があって、女性にモテて、大金を稼ぐ男にとって夢のような仕事。
トップクラスのホストは月の給料が1,000万円を超えるそうです。僕は頭も良くないし、何か才能があるわけでもない。
一獲千金を狙うならホストしかない
心の底から僕は確信しました。僕は両親に相談しました。
「東京の歌舞伎町でホストになる」
当然、両親は反対しました。母は涙すら見せました。父は激怒しながらこう言いました。
「お前とは親子の縁を切る」
しかし、僕はたった1度の人生をホストという職業にかけてみたいという夢を捨てることができず、両親から一切の援助を受けないという条件でその翌日には家を飛び出しました。
上京後、僕は歌舞伎町で有名な「W」という店に入店しました。さすが、ホストの世界でも有名な歌舞伎町の有名店。イケメンでスタイルが良く、芸能人のようなホストがそろっていました。
(ここで一獲千金をつかむんだ)
僕は心に誓いました。しかし、入店した当日から僕は何か違和感を感じました。先輩や店長が僕をこう呼ぶのです。
「イヌ」
僕はホストになって『イヌ』という言葉の意味を知りました。イヌとは一気飲みをさせられたり、恥ずかしいことをさせられるホストのことです。僕はとにかく先輩のヘルプとして一気飲みをさせられました。他のホスト達よりも顔が良くなく、しゃべりも上手ではないのでこういう役を任されたんです。
入店して1週間後、こんな出来事がありました。トイレ掃除などの雑用は売れないホストが当然担当することになりますが、その日は僕が担当でした。僕が掃除をした後、先輩3人から「ちょっと来い」とトイレに呼び出されました。
「おい!何だこれは?」
見ると床に「毛」が1本落ちていました。僕は「すみません」と謝り、しゃがんで毛を拾おうとすると、僕の手を先輩が靴で思いっきり踏んづけました。
(な、なにをするんだ!?)
僕は踏まれた手の痛みと驚きで動揺しました。すると、1人の先輩が衝撃的なことを口にしました。
「おい、便器をなめろ」
僕が「え?」と声を漏らした瞬間、僕は後頭部の髪を先輩につかまれて、無理やり洋式便器の中に顔を押し付けられ、便器の中をなめさせられました。先輩たちは笑いながら
「トイレはホストクラブが1番きれいにしないといけねー場所だろうが」
「次は顔にダサいタトゥーを入れてやる」
そう言い残すと笑いながら、その場を去っていきました。
(す、すごい世界に僕は足を踏み入れてしまった)
僕はくやしくてその場で泣きました。しかし、これは始まりに過ぎませんでした。