エリートの転落|数千万円もキャバ嬢にみついだ男の悲惨な末路
幸一さん(仮名:62歳)
「もう何もかも失いました。自業自得ですが」
私は、ある有名な大企業に勤務していました。大学を卒業して38年間。毎日まじめに働いてきました。
ギャンブルもせず、お酒もあまり飲みません。周囲からもまじめと言われることが多いです。そんな私もついに60歳で定年退職を迎えました。2人の息子も社会人として巣立っていき、これからは妻と老後をのんびりと過ごそうと相談していました。
老後の蓄えは1,500万円。それに加えて今回の退職金が2,500万円ほど。年金もあるので、それなりの老後を過ごせるだろうと考えていました。しかし、私の人生設計は大きく狂うことになります。
あれは私の送別会での出来事でした。1次会の居酒屋を出て、40代の後輩Aがこんなことを言いました。
「2次会は女の子がいるお店に行きましょう!」
私はまじめ一筋だったので女の子がいるお店には、あまり行ったことがありませんでした。最後に行ったのは20代の時だったかと思います。
(まあ、あまりない機会だ)
私は「ぜひ行こう」とみんなに伝えると、若い連中が
「そう来なくっちゃ!」
「今日は楽しく飲みましょう!」
そんなことを言ってくれました。
(私は温かい後輩に恵まれた)
私はそんな気持ちにひたっていました。
後輩Aが連れて行ってくれたのはラウンジでした。お店に入ると、顔が良く、スラっとしたスタイルの良い20歳くらいの女の子が店内に案内してくれました。
「かわいい子だな」
私は思わず、そうつぶやきました。すると、後輩Aがこんなことを言いました。
「驚くのは早いですよ。これからが本番です」
すると、奥から1人の女性が出てきました。私はその女性を見た時、思わず息を飲みました。
美しい・・・なんてきれいな女性なんだ
その女性は30歳。身長が170cmもあり、とても細い体に、アジア映画で見た女優のような美しい顔をしていました。この店のママで『華(仮名)』という源氏名でした。
華が接客をしてくれた1時間は夢のような時間でした。私は完全に華にひとめぼれしてしまったんです。
今までに感じたことがない感情
私は翌日もお店に行きました。どうしても、華に会いたかったんです。華と話しながらカウンターで飲んでいると次々に華を目当ての客がお店に入ってきます。
すると、華はヘルプの女の子に私を任せて、他の男を優先して接客しました。華を目当てに来たのに、他の男を優先される劣等感。
(なんか・・・くやしいな)
私の様子に気づいたのでしょう。ヘルプの女の子がこんなことを教えてくれました。
華さんが接客している人は毎日みたいにお店に来るし、華さんにプレゼントをたくさんくれる。だから、華さんが優先的に接客するのは当然ですよ。
その言葉を聞いて私の中でカチッとスイッチが入りました。
(男として負けたくない・・・)
この感情が私の老後を完全に狂わせることになるとはまだ知りませんでした。