iPhoneやスマホ用にマグネット付きのケースが販売されているけど、あのマグネットはワイヤレス充電で悪影響を与えないの?ずっと気になってるんだけど・・・
ハードウェアエンジニア歴15年、電子機器のプロのうましです。今回は実際にマグネット付きケースがワイヤレス充電にどのような影響を与えるのかをテストしましたのでご紹介します!
マグネット付きケースでワイヤレス充電を避けるべき理由
最近、ケーブルで接続しなくても手軽に充電ができることで普及してきているワイヤレス充電ですが、スマホやiPhoneと充電パッドの間に金属などを置くことは安全面の関係で禁止されています。しかし、スマホやiPhoneのケースにマグネットが付いているタイプがありますが、このマグネットはワイヤレス充電で問題ないのでしょうか?
ケースにマグネットが付いている理由はAppleのMagSafeと呼ばれる機能を使用するためです。
結論から申し上げると3つの点で問題ありでした。今回は実際にテストを行いましたのでご紹介します。
テストの内容
今回は、本体にマグネットが内蔵されていないiPhone SE2にマグネットケースあり、なしの状態で以下の2つのワイヤレス充電器を使用して充電速度や充電時の変化を比較します。ワイヤレス充電は一般的な規格(Qi)で行います。
マグネット付きケース
Amazonや楽天などで販売されているこちらのシンプルなマグネット付きケースを選定しました。
実際にケースをつけた様子
ワイヤレス充電器
Amazonの売り上げランキング(2021.12時点)で上位のこの2モデルを購入しました。
Anker PowerWave Pad 10
実際に充電した様子
NANAMIワイヤレス充電器
実際に使用した様子
実際の充電速度を比較
↑Anker PowerWave Pad 10
↑NANAMI
いずれの場合もマグネット付きのケースを使用した場合はワイヤレス充電の速度が低下していることが分かります。
上記は1年ほど使用したi Phone SE2を使用しているため電池容量が低下し、充電速度が早いことをご理解頂き、参考程度にしてもらえればと思います。
マグネット付きケースで気になった3つのこと
次にマグネット付きケースをつけたiPhoneでワイヤレス充電をして気になったことを3つご紹介します。
充電速度がとにかく低下
先ほどもご紹介しましたが、充電速度の低下は明らかに見られた点でした。マグネットがワイヤレス充電の充電能力(電磁誘導)に影響を与えていると考えて間違いなさそうです。
充電パッドやiPhoneが発熱
マグネットありのケースを使用した場合、マグネットなしの状態よりもiPhoneや充電パッドが3~5℃ほど高くなりました。発熱はさまざまな問題につながります。電子機器は熱によって寿命がかなり縮みますし、熱が生じるということはエネルギーがムダに熱として使われていることになります。火災などのリスクも高まります。
充電速度の低下は目をつむることができたにしても、発熱は無視できない問題のように感じます。
充電パッドが異常と認識する場合も
AnkerのPowerWave Pad 10を使用した際に、充電パッドのLEDが異常を検知して充電を止めることが2回ありました。その際には1度、iPhoneを充電パッドから離して充電パッドの状態が戻ってから再度置きました。
マグネット付きのケースを使用することで充電パッドが異常と認識してしまうことがあるようです。このような状態でワイヤレス充電を行うのは避けるべきかと思います。
ワイヤレス充電でマグネット付きケースは避けるべき
「充電速度」「発熱」「異常検知」の3点からワイヤレス充電時にマグネット付きのケースは使用すべきではないと感じました。「使いたいアクセサリーがある」などの理由でマグネット付きケースを使用したい方はワイヤレス充電時にはケースから外すことをおすすめします。参考にしてもらえるとありがたいです。
ワイヤレス充電をする際には金属物はもちろん避ける必要がありますが、マグネットもない方が安全で快適にワイヤレス充電を利用することができそうですね。
【おすすめ記事】
>>NANAMIのワイヤレス充電器の実機レビュー