ポータブル電源の購入を検討中
・EBL MP1000
この商品はどんな特徴のポータブル電源なの?実際に使った感想を聞いてみたいな。
こんな質問にお答えします。
・EBL MP1000の実機レビューをご紹介します
・良かった点/気になった点をご紹介します
ハードウェアエンジニアのうましです。実際に、EBLのMP1000を使用した感想をご紹介します。
今回は、EBL様からMP1000とソーラーパネル(ESP-100)をご提供頂き、記事を執筆しました。
EBL MP1000のレビュー
EBLとは
EBLは、ハイテク企業が数多く存在し、アジアのシリコンバレーと呼ばれることもある中国の深セン市の電池や充電器を世界中で販売している企業です。今回は、EBLのポータブル充電器『MP1000』を実際に使った感想を本音でご紹介します。
MP1000の開封と外観の確認
製品の箱の様子
同梱されている物
・MP1000本体
・ACアダプター
・電源ケーブル
・カーチャージャーケーブル
・MC4 7909連続ケーブル
・ユーザーマニュアル
本体は8.4kgでずっしりとした重みはあります
マニュアルは日本語で分かりやすいです
電源ボタンと出力の様子
AC出力の様子
AC Pure sine waveの表記
MP1000の充電用入力
左:ソーラー / 右:DC入力
充電中には電力(入力)を表示
出力中には消費電力を表示
天面には取っ手とワイヤレス充電を装備
ライトを点灯すると周囲を明るく照らしてくれます
側面は冷却用ファン(吐き出し)を装備
底面にはMP1000の仕様が記載
MP1000の出力の仕様が記載
※底面を拡大
USB出力で機器に電源供給する様子
※天面はワイヤレス充電(Qi)
AC出力から電源供給を行った様子
AC出力は純正弦波なので安心(波形を確認)
MP1000の『AC OUTPUT』からは非常にきれいな正弦波のAC110V 60Hzが出力されていることを確認しました。そのため、家庭用コンセント同様に安心して電子機器や家電を接続することができます。
MP1000のAC出力
安心して家電を接続できます
安全に関する法令はしっかり(PSE)
日本では、モバイルバッテリーなどリチウムイオン電池を使用しているものは、電気用品安全法で規定されている『PSEマーク』を取得することが義務付けられています。MP1000もリチウムイオン電池を使用しているので、PSEマークが必要になりますが、しっかりと底面にPSEマークの表示があります。
底面にしっかりとPSEマーク
一定の安全基準をしっかりと満たしている証明がされているので安心して使用することができます。もちろん、マニュアルの禁止事項を守り分解や改造をしないという前提です。
機器の動作時間を実測
MP1000の動作時間の目安
MP1000のマニュアルに動作時間の目安が記載してありましたのでご紹介します。
これなら停電時やアウトドアを楽しんでいる時もスマホやノートPCを安心して使用することができます。
さまざまな機器の動作時間を実測
MP1000を使用して様々な機器の動作時間を実測しました!
機器 | 消費電力 | 動作時間(実測) |
サーキュレータ | 30W | 29時間 |
テレビ(40V型) | 140W | 6時間 |
IHクッキングヒーター ※設定『中』(180℃) |
700W | 1時間10分 |
遠赤外線ヒーター | 950W | 50分 |
以下の式でおよその動作時間を予測することができます。
動作時間(時間) = 999 ÷ 消費電力(W) × 0.85
本体の充電時間を確認
ACアダプターによる充電(満充電まで7時間ほど)
ACアダプターでの充電
MP1000を付属のACアダプターで充電する場合、0%の状態から充電完了まで7時間ほどかかります。約6時間で『100%』と表示はされますが、それからさらに1時間ほど充電を続けて完了となります。
充電のカーブ
※ご参考程度にされてください
ソーラーパネルによる充電(12月の実測結果)
ソーラーパネルも提供してもらいましたので、実際に太陽光からの充電を行ってみました!
梱包状態のソーラーパネル
開封した状態。バッグ部分に付属品が入っています
・ESP-100(ソーラーパネル本体)
・MC-4 to アンダーソンケーブル
・MC-4 to DC 5.5 x 2.1mmケーブル
・アダプター(3種類)
①55 x 21mm to 5.5 x 2.5mm
②55 x 21mm to 7.9 x 0.9mm
③55 x 21mm to 3.5 x 1.5mm
実際に充電してみる
ポータブル電源とソーラーパネルのご提供を頂いたのが、2022年12月24日と最も日差しが弱く日照時間が短い時期でした。しかし、この時期のデータもご参考にしてもらえるかと思ったのでご紹介させて頂きます。
自宅のベランダ(2階)にパネルを設置しました。南向きに吊って固定した場合が最も発電効率が良かったです。
・日時:2022.12.27(8~17時)
・場所:熊本市
・天気:快晴
測定した日の天気(熊本市)
画像引用:Yahoo!天気
測定結果:1日で52%ほど充電(12月末)
快晴の日でしたが、やはり12月末ということもあり、まる1日間の充電(8~17時の9時間)で52%という結果でした。満充電はできなかったものの、そもそもMP1000は容量が非常に大きいのでノートパソコンやスマホの充電などが目的の場合には十分な発電量とも言えます。
今回は、最も日照時間が短く日差しも弱い12月末の測定になりましたが、2023年の夏場にもデータも取得してご紹介したいと思います。
良かった点
ワイヤレス充電も可能
最近のスマホやiPhoneの多くが対応しているワイヤレス充電(Qi)によって機器を充電することも可能です(最大10W)。充電速度は、ケーブルでの充電と比較すると遅いですが、Qi規格に対応していればAndroid、iPhoneを問わず置くだけで充電できるのは非常に便利です。
ワイヤレス充電は手軽で便利です
最大60WのPD対応なので充電速度が早い
個人的に特に便利だと感じたのは、PD対応のUSB-Type C出力です。最大60WのPD規格に対応しているので、PD対応のノートパソコンなどを急速に充電することが可能です。忙しい時にも短時間でモバイル機器を充電することができて便利です。
PD対応の機器を高速で充電可能
※Chromebookを充電中の様子
IHクッキングヒーターでお湯を沸かしたり簡単な調理もできた
IHのクッキングヒーターの『強(200℃)』は、1000Wを超えるので動作することができませんでしたが、『中(180℃)』の設定では動作可能で、『中』でもお湯を沸かすことは余裕で可能でした。
実際に袋めんのラーメンを作ってみました
火力は少し弱めではありますが、災害時やキャンプの時にお湯を沸かしてカップラーメンを作ったり、簡単な調理などを行うことができるのは心強いと思います。
ソーラーやシガーソケットからも充電可能なので外出中や屋外でも安心
ソーラーパネルによる充電、シガーソケットからの充電にも対応していますので、移動中やキャンプ場でも太陽光や自動車のシガーソケットから充電することも可能です(ソーラーパネルは別売りです)。
気になった点や注意点
最大負荷で動作中はファンの音が大きい
消費電力が大きい機器を接続すると冷却用ファンが回転しますが、なかなかの音量です。寝る時にはかなり気になるレベルの音量です。このファンの音に関しては、個人的には昼間はそれほど問題ないかと思いますが、就寝時にはちょっと厳しい感じがしました。
熱を出すような消費電力が大きい家電は短時間しか動作できない
扇風機やサーキュレータなどの送風機は数十時間単位で利用することが可能ですが、ヒーターのような熱を出す機器は短時間しか利用することができません。また、1000Wを超えるドライヤーなどのような家電は動作することができません。
先述しましたが、遠赤外線ヒーター(950W)を使用して動作時間を実測しましたが、満充電した状態で50分ほどしか動作できませんでした。そのため、「消費電力が大きい冬物家電などを長時間動作させたい」という用途には向きません。
ソーラーパネルと日光の角度で発電量が大きく変わる
これは、EBLだけではなく一般的なお話になりますが、ソーラー充電はパネルと太陽の角度で発電量が大きく変化します。パネル全面に光が当たっていたとしても、パネルに日光が直角に当たった場合とそうでない場合の発電量は大きく異なります。マニュアルにも注意書きがあります。
マニュアルから抜粋
全面に日光は当たるが水平に設置した場合
31%/日(12月末)
パネルを吊って垂直に近い形で当たるようにした場合
52%/日(12月末)
そのため、「日光がパネル全面に当たれば良いだろう」とだけ考えていると発電効率が激減するという事態になります(実証済み)。ご自宅などでソーラー充電を行いたい方は、太陽に対して直角にパネルを設置できる状態かを事前に確認することをおすすめします。
もちろん、雲や近隣のマンションなどでパネルに陰ができると発電効率が落ちる、もしくは全く発電しないという事態にもつながります。便利なソーラー充電ですが、気を遣うことも少なくないです。ソーラーパネルを検討される際には、この点にはご注意ください。
防水の仕様ではない
MP1000は、防水の仕様ではありません。そのため、キャンプなどの屋外で使用する場合には、雨や水が当たらないように考慮して使用する必要があります。その点は注意する必要があります。
保管温度は-20~45℃なので注意
MP1000の保管温度は、-20~45℃となっています。そのため、自動車の中に積みっぱなしにしている場合、夏場に車内温度はすぐに45℃など超えてしまいます。これは、EBLのMP1000に限ったお話ではありませんが、夏場の車内に放置などは避ける必要があります。
結論:MP1000は災害やアウトドア用に1台は欲しいポータブル電源
気になった点もご紹介しましたが、それ以上にEBLのMP1000はメリットの方が大きく、災害や屋外での電源供給用に1台は欲しいポータブル電源でした。
MP1000があれば、台風などの災害シーズンの停電時も扇風機を動作させたり、スマホの充電を行うことができるので非常に安心です。実際に使用してみてMP1000は、「1台は常備しておきたいポータブル電源」でした。MP1000をこれからも愛用していきたいと思います。ぜひ、参考にしてもらえるとありがたいです。
「災害やアウトドア用に低価格で高機能なポータブル電源を探している」という方には、EBLのMP1000がおすすめですよ!
MP1000の仕様
製品名 | MP1000 |
外形寸法 | 29.0 x 20.2 x 20.2 cm |
重さ | 8.4kg (実測) |
電力 | 999Wh |
バッテリー容量 | 3.7V/270,000mAh |
定格出力 | 1000W(瞬間最大2000W) |
出力波形 | 純正弦波 |
入力 | |
AC/DCアダプター | 100-240V/150W 24V, 6.25A |
ソーラーチャージャー | 12V-26V, 最大8A |
シガーソケット | 12V, 最大8A |
出力 | |
AC出力 | 110V±10%/60Hz |
DC出力 | 14V, 8A |
USB-TypeA | QC3.0(最大18W) |
USB-TypeC | PD(最大60W) |
シガーソケット出力 | 14V, 8A |
ワイヤレス充電器 | 10W |