高校中退の末路|中卒の不良の悲惨な現実と後悔
雄太さん(仮名:34歳)
「ここまで厳しいと思っていなかったね」
高校は偏差値が30台の本当にバカが集まって来るような学校だったよ。受験勉強もろくにしなかったしさ。勉強するやつを「がり勉」と見下して、悪ぶってるのをかっこいいと思ってたんだよね。今思ってみると本当に甘かった。
2年に上がる時には1学年300人のうち50人とか平気で退学するような学校だった。人生のことなんて何も考えていない連中が行く学校だったからさ。
2年の秋までは高校に通っていたけど、タバコが見つかって停学になったことが原因で学校に行きづらくなってね。停学中も不良連中と遊ぶのが楽しかったから、そのまま退学しちゃった。その時は「学歴なんて関係ねーから」とか周囲にも言ってたし、本当にそう思ってたからね。
高校を退学後は飲食店やキャバクラのボーイ、コンビニとかを転々としていたね。同級生もまだ学生が多かったから素直に楽しかったよ。でも、楽しかったのは22歳くらいまでだったね。同じ学校の同級生が大学を出て就職した年の年末年始に同窓会があった時に聞いたら、俺よりもずっと給料をもらっていた。しかも、その同窓会で初めて「社会保険」っていう言葉を知ったんだ。扶養とかさ。俺はフリーター。単なるバイトだよ。そんな保証は一切なかった。
同窓会の翌日に職安に行ってみたけど「高校中退じゃ紹介できる仕事がかなり限られる」って言われたよ。肉体労働を勧められたけど、俺は20歳の時に腰をやってから重い物が持てないんだ。
これじゃまずいと思った俺は定時制の高校とか専門学校も考えたけど、「これから何年も学校に通うのか」という思いと、仕事をしないで学校に行くと生活ができないから結局学校には通わなかった。20歳の時に親とケンカして実家を飛び出してずっと一人暮らししてるんですよ。今さら実家に帰るなんてこともできないし。そうこうしているうちに時が流れてしまった。
コンビニのバイトとか時給が安いし主婦や学生みたいな人ばかりだもんね。個人経営の居酒屋とか運送業者とかでも働いたけど、正社員と全く同じ仕事の内容なのに給料がとても安かった。中卒は悲惨だなと何度考えたことか。
さらに今でも後悔している仕事もしたよ。あれは俺が24歳の時だった。