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信用取引で破滅|東日本大震災で大損した専業投資家の末路)

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信用取引で破滅|東日本大震災で大損した専業投資家の末路

健治さん(仮名:38歳)

「あこがれの専業投資家は1か月も続かなかった」

僕は『専業投資家』という職業に強いあこがれを持っていました。専業投資家というのは文字通り、投資だけで生活をする人のことだよ。投資家の中でも僕は『株取引』で生活する人にあこがれていたんだ。

僕はハイリスク・ハイリターンを狙う『信用取引』という方法で大きな利益を出していた。信用取引とは証券会社に保証金を入れるとその3倍の金額まで売買ができる取引で、簡単にいうと証券会社から借金をして株の売買を行うことだよ。

少ない資金でも大きな利益を手にすることができる反面、失敗すると損失も大きくなるという危険な取引なんだ。

僕は会社員をしながら、貯金と株の信用取引で1,200万円の資金を貯めることができた。このタイミングで会社を退職して専業投資家になろうと決意したんだ。それが2011年の2月末、僕が28歳の時だった。

僕は最後の出勤を終えて、会社を出る時にこう感じた。

「これからは専業投資家として生きていくんだ。僕は選ばれし人間なんだ」

そんなふうに自分の世界に浸っていたよ。ネット掲示板にも書き込んだ。

僕が職業を答えると大企業勤務のやつでも小便を漏らす。そう、僕は『専業投資家』だ
「天才投資家」という言葉を聞くと、また僕のうわさがされているんだと身が引き締まるんだ
僕のスレが何をしてくれるかを問うんじゃない。君が僕のスレで何をなしうるかを問いたまえ

これらは今でも僕の伝説語録としてネット上に残っているよ。

そして、退職してから1週間後の3月9日。僕は値動きが良かったセプテーニ(4293)を信用取引で約3,000万円分購入したんだ。

まあ、株を購入後はやることもないからね。僕は曜日のないような生活を送っていた。平日の昼間もずっとゲームをしたり、マンガを読んだりしていたよ。でも、まさかあんなことになるなんて想像もできなかった。

2011年3月11日14時46分。東日本大震災が発生した。証券取引所もまだ営業時間中ではあったけど僕はマンガに夢中になっていて震災の発生に気づかなかった。そして、取引時間が終了後にネット証券の画面を見て驚いたんだ。

(な、なんてことだ・・・)

この3月11日の取引終了の時点ですでに含み損が300万円になっていた。そして迎えた週末。不安で不安で仕方がなかった。何をしていても、株のことで頭がいっぱいだ。そして、最悪の週末が開けた。

3月14日の月曜日。ドクンドクンの心臓の音が聞こえそうなほど高鳴っている。セプテーニの寄り付き前の板を見てから愕然としたよ。

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