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信用取引で破滅|東日本大震災で大損した専業投資家の末路)

読み物

「ストップ安」

予想していたけど、そこには厳しい現実が突き付けられていた。

(お、終わったわ・・・)

僕はイスの上にへたり込んだ。全身に力が入らない。実はこの日は一瞬だけ逃げ場はあった。

開始直後の数分だけセプテーニは寄ったんだ

売却するチャンスはあった。でも僕は欲が出た。

これだけ暴落したら、少しはリバウンドするに違いない

しかし、この考えは甘かった。寄ったのは束の間。再度、ストップ安に張り付いてしまったんだ。この日はもう寄ることはなかった。

僕は完全に逃げ場を失った

さらに600万円もの損失がこの日だけで追加された。そして、その翌日の3月15日は開始直後から終始ストップ安。この日は値幅の制限が変わったものの損失としてマイナス400万円が追加された。

僕がようやく損切ができたのは3月16日だった。損失の合計はなんと1,300万円。僕の口座の保証金が1,200万円だったから100万円は足りない。追証として入金することも当然できない。

僕の専業投資家の人生は終わった。たった2週間で1,200万円も失った。さらに借金まで・・・

僕は完全に精神的に参ってしまった。自殺も考えた。でも、自分が死んでも連帯保証のような形で両親に迷惑がかかるかもしれないと思い、自殺ではなく両親に相談することを選んだ。

当然、説教をされた。しかし、両親が僕にお金を貸してくれたので、証券会社に返済することができた。僕はすぐに再就職したよ。

たしかに調子が良い時にはおもしろいほど利益を得られる信用取引。だけど、株式投資は震災のような天災だけではなく、経営不振、不祥事、上場廃止などで大損害を受ける可能性もある。

信用取引は不測の事態で一気に破滅する可能性がある取引だということを理解して、余力いっぱいまで使うとか無茶な使い方をしない人が減ることを願うよ。

※ネット掲示板で有名な『きゃんたま坊や』をイメージした読み物を書きました。