テレビの購入を検討中。『OLED』と『QLED』はどう違うの?分かりやすく教えて欲しいな・・・
こんな質問にお答えします。
・『OLED』と『QLED』の違いが分かります
・それぞれのおすすめモデルが分かります
映像機器の設計・開発エンジニアのうましが解説します
OLEDとQLEDの違いを解説
4Kテレビを選んでいると『OLED』と『QLED』という言葉が出てくることがあります。言葉も似ているので
「どうちがうの?」
「どっちが優れているの?」
と感じている方も多いかと思います。
実は、OLEDとQLEDは、名前は似ていますが、メロンとメロンパンくらい全然違うものです。今回は難しい解説はひかえめで、OLEDとQLEDの違いとそれぞれの長所・短所を解説させて頂きます。
日本語表記だとイメージしやすい
『OLED』と『QLED』は名前が非常に似ているので混乱しそうになりますが、日本語表記だとイメージしやすくなります。
OLED = 有機EL
QLED = 液晶テレビのハイグレード版
それぞれ簡単にご紹介します。
OLED(有機EL)を簡単に解説
OLEDは、『有機EL』を使用したテレビのことです。「有機ELという言葉は聞いたことがある」という方も多いかと思いますが、簡単に特徴をご紹介すると「高画質だけどすごく高価」です。
有機ELは、価格は高額ですが「とにかく美しい映像を楽しみたい」という方に選ばれています。次にご紹介する液晶テレビのようにバックライトを必要とせず、電気を流すことで画面の縦と横に並べられているドットがそれぞれ光ることで映像を表現します。
有機ELの構造
画像引用:パナソニック
QLED(液晶テレビ)を簡単に解説
QLEDを理解するために、まずは液晶テレビについて簡単にご紹介します。『液晶』を使用したテレビは、有機ELと比較にならないほど普及しており、世の中の90%以上は液晶テレビと言われています。液晶は、バックライトと呼ばれる光を当てて映像を映しています。液晶テレビの特徴を一言でご紹介すると「安くて扱いやすい」です。
液晶テレビの構造
画像引用:パナソニック
QLEDは色彩を豊かに表現できるハイグレードな液晶テレビ
液晶テレビの中でも『量子ドット』と呼ばれる技術を採用したハイグレードなシリーズを『QLED』と呼びます。バックライトに『青色LED』を採用し、『量子ドットシート』を組み合わせることによって通常の液晶テレビよりも広い色彩(色域)を表現できるのが魅力です。
通常の液晶テレビ
QLED
画像引用:ハイセンス
QLEDは、広い色彩(色域)を表現できるハイグレードな液晶テレビです。
左:普通の液晶 / 右:QLED
画像引用:TVS REGZA
有機ELの優れている点
完全な黒を実現できる
テレビは「どれくらい黒をしっかりと黒く表現できるか?」が、高画質の1つの基準になります。
液晶テレビは、バックライトという光を当てることで、映像を表現するため夜空のような黒も白っぽくなりやすい傾向があります。しかし、有機ELはドットの1つ1つをそれぞれ光らせることで映像を表現しているので、『完全な黒』を表現できます。そのため、引き締まった映像(高コントラスト)を実現することができます。
薄型のデザインにしやすい
くり返しのご紹介になりますが、液晶テレビはバックライトを配置する必要があります。そのため、液晶テレビは、どうしても厚くなりやすい傾向があります。
それに対して、有機ELはバックライトが不要なので、薄くスタイリッシュなデザインにしやすいという特徴もあります。
左:有機EL / 右:液晶テレビ
画像引用:パナソニック
有機ELの注意点
焼き付く可能性がある
有機ELは、長時間同じ静止画を映し続けていると『焼き付き』と呼ばれる残像が残る不具合が発生する場合があります。各社対策を実施していますが、今でも焼き付きは発生します。液晶テレビは、焼き付くことはありません。この有機ELの「焼き付く可能性がある」というのは扱いにくいポイントになります。
同じ画像をずっと表示し続けていると・・・
残像が焼き付いてしまいます・・・
画像引用:LG
液晶テレビが優れている点
有機ELよりも寿命が長い
一般的には液晶テレビ(QLED)と有機EL(OLED)の寿命は次のように言われています。
液晶テレビ:約6万時間
有機EL :約3万時間
もちろん、メーカーやモデルによりますが、一般的には有機ELよりも液晶テレビの方が寿命が長いと言われています。「経済的に長く使用したい」という方には、液晶テレビがの寿命の長さは魅力になるかと思われます。
価格が安い
液晶テレビは、同じサイズでも有機ELの半分以下程度で購入できる場合も少なくありません。有機ELは、大型のサイズになると100万円近くするモデルもあり、さすがに高すぎて手が出しづらいです。液晶テレビの「価格が安い」というのは、無視できない大きなメリットです。
液晶テレビの注意点
ななめから見ると色が変わるモデルも多い
液晶テレビは、高額なモデルであっても採用する液晶パネルの種類によっては、ななめから見ると白っぽくなりやすい傾向があります。次の画像を見てもらうと分かりやすいですが、『VAパネル』はハイグレードなモデルでも広く使用されているタイプで、正面から見るときれいな映像を楽しめますが、角度をつけると白っぽくなりやすいという特徴があります。
それに対して有機ELは液晶パネルと異なり、ななめから見ても色の変色が少ない(ほとんどない)という特徴があります。それぞれの特徴をまとめます。
有機EL
◆優れているポイント
・黒をしっかりと黒く表現できる
・ななめから見ても色が変わりにくい
・薄型のデザインにしやすい
◆注意点
・一般的には寿命が液晶テレビの半分
・同じ映像を映し続けると焼き付きが生じることも
(メーカーが焼き付き対策には努めている)
液晶テレビ
◆優れているポイント
・寿命が長い傾向がある
・焼き付きの心配がない
◆注意点
・黒い部分も白っぽくなりやすい
・ななめから見ると白くなるモデルも多い
・厚くなりやすい
なるほど。有機EL(OLED)と量子ドット採用液晶(QLED)の違いが分かったよ。ちなみにおすすめのモデルとかあるの?
OLEDとQLEDのおすすめをそれぞれ3選でご紹介します!
OLED(有機EL)のおすすめ3選
気になる商品はリンク先から『購入者のレビュー』だけでもチェックすることをおすすめします。貴重な情報が含まれていることがあり、意外に勉強になりますよ!
ビエラ LZ1800シリーズ
パナソニックのビエラブランドの4K有機ELです。自社で設計を行い、組み立てを行った有機ELパネルを採用し、臨場感のある映像を楽しめます。「高画質にこだわった有機ELで映像を楽しみたい」という方にはおすすめのシリーズです。
◆サイズ
・48V/55V/65V
レグザ X9400Sシリーズ
東芝テレビのレグザブランドの4K有機ELです。タイムシフトマシンを搭載しているので過去の番組表から見逃した番組も視聴できる多機能なモデルです。
◆サイズ
・48V/55V/65V
LG A2シリーズ
韓国企業のLGの4K有機ELモデルです。お求めやすい価格が魅力的なモデルで「有機ELにあこがれがあるけど価格は抑えたい」という方にはおすすめのシリーズです。
◆サイズ
・48V/55V/65V
QLED(量子ドット液晶)のおすすめ3選
ハイセンス U9Hシリーズ
有機ELに対抗する技術と言われているローカルディミングも搭載したハイセンスの量子ドット技術を採用したモデルです。「高画質を重視した4K液晶テレビが良い」という方にはおすすめのシリーズです。
◆サイズ
・65V/75V型
TCL C635シリーズ
世界のテレビ出荷台数2位(2019年)と世界中で愛される中国企業のTCLのQLEDモデルです。サイズが豊富なのでお部屋にぴったりのモデルを見つけやすいのも魅力です。
◆サイズ
・43V/50V/55/65V型
レグザ Z670Lシリーズ
人気が高いレグザブランドの量子ドット技術を採用したモデルです。コンパクトなモデルをお探しの方にはおすすめのシリーズです。
◆サイズ
・43V/50V