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バイクの死亡事故で18歳で亡くなった後輩の話

読み物

後輩Nと彼女が深夜1時に2人乗りして片側1車線の道路を走行中に対向車の軽自動車が、フラーっとこちらの車線に半分程度はみ出してきた。それをよけきれずに後輩Nとその対向車は正面衝突してしまう。後ろに乗っていた彼女は後輩Nがクッションになり、すり傷だけで済んだらしい。

しかし、後輩Nは前方のタンクのガソリンを浴びた状態で炎上。後輩Nは激しく燃えたらしい。今となっては即死だったのか、息があったままの焼死だったのかは分からない。ただ、後輩Nは帰らぬ人になってしまった。

今回の件に関しては完全に対向車が悪いと思う。しかし、2人乗りしていなかったら後輩Nはとても器用だったので、もしかするとバイクを投げ出すなどして死なずに済んだのかもしれない。

身元確認で後輩Nのお母さんが立ち会った。黒こげになった後輩Nを見てお母さんは気が狂ってしまったと聞いた。焼けこげた息子を見ることになったのだからお母さんのショックはすさまじかったのだろう。

18歳で生涯を終えることになった後輩N。ちょっと悪ぶっていたのは事実。運転も荒かった。しかし、ここまで代償を払う必要があったのだろうか。

後輩Nの在学中の事故だったので学校で全校集会が開かれた。その時、生徒指導の先生が全校生徒の前でこう言った。

「夜中に女と2人乗りしてるから事故にあうんだ」

僕はこの言葉を聞いて悲しかった。死者に弔い(とむらい)の言葉くらいあっても良いのではと。僕達は数人で後輩Nの葬儀に参列した。葬儀の最後のお別れの時も棺は開けられなかった。遺体の損傷が激しすぎたからだ。その時、後輩Nのお母さんがこう言っていたのを忘れない。

「息子はね、遠くにちょっと出かけてるんですよ。もうすぐ戻ってきますからね。楽しみにしてるんですよ」

まだ成人もしていない息子を失った母親の悲しみは僕の想像をはるかに超えるのだろう。現実を受け入れきれず今もどこかで生きていると自分に言い聞かせているようだった。

バイクの危険運転が減ることを願って

バイクの危ない運転をしている人を見ると転んだりケガをしたことがないんだろうなと思う。「自分は大丈夫」という過信もあるのだろう。「痛い目」にあうことで心から反省をして注意をするようになる。しかし、最初の事故で命を落とした後輩Nのように「最初で最期」になってしまう事故も存在する。後輩Nのエピソードをご紹介して1人でも多くの方が安全運転を心がけてバイクで大けがや死亡する事故と減らすことを願いたい。