友人Xはヤンキー系で、いつも授業中にめちゃくちゃうるさかった。だから「先生のイヌ」の僕が、「お前、黙ってろ!!」っていつも注意してた。当然、友人Xは僕のことを大嫌いのはずだ。
(あいつが幹事なの?最悪じゃん・・・)
僕から声をかけてみた。
「X君・・・久しぶり」
「・・・お、久しぶり」と友人Xも返してくれた。
形だけの作り笑顔が2人ともマジできもかった。僕はその時、感じた。
(友人Xは、友人Aが僕に声をかけて、僕がこの同窓会に来ると思っていなかったのでは)
会話も続かない。2人でずっと無言でいた。
(とりあえず、誘ってくれた友人Aが来ないと辛いな・・・)
僕は友人Aに電話をかけてみた。すると、
「ごめーん、俺さ、仕事が入ったから、また今度!!」
(はぁ!?ちょっと・・・ちょっと待ってくれ。俺を1人にしないでくれ・・・)
次第にぞくぞく集まってきた。全員、友人Xの友達だ。それは僕が中学時代に苦手だったやつらを意味する。しかも、明らかに他校のやつもいた。
(どこが同窓会だよ!!友人Xが主催のただのパーティじゃねーか!!)
全員、見事なまでに田舎のDQNになっていた。タトゥーを見せびらかすために上半身裸だ。秋なのに寒くないのか?女性も集まりだしたが、もちろん幹事の友人Xの仲良しだ。20人くらい集まった。
友人Xは繁華街のクラブでDJをやるようなやつで、とにかくモテる。友人Xが音楽を流すと女の子たちが沸く。
♫「テキーラ!ブンブン!!」
♫「セーックス!セーックス!セーックスオンザビーチ!!」
(そもそも、俺はビーチでセックスをしたことないし)とか、くだらないことを考えていた。明らかに今回の「同窓会」は友人XがDJをするのを女の子たちが「キャーキャー」言いながら、友人Xの仲良したちで遊ぶためのパーティーだった。
(しまった・・・完全に僕だけ浮いてる・・・)
仲が良かった友達が1人もない同窓会・・・人生で3本の指に入るくらい苦痛の時間。
(あー、こなきゃ良かった)
僕はアルコールを飲んでいなかったので、タイミングを見て帰ろうと思っていた。しかし、事故が起きてしまった。
急いで病院へ
「いったーい!!」
DQNの女の子が声を上げた。
なんと、海水浴場にさびた釣り針が落ちていて足に深く刺さってしまった。釣り針は返し(抜け防止)が付いているので簡単に抜けない。急いで病院に連れていくことになった。誰が連れていくか?
当然、お酒を飲んでいない僕が連れていくことになった
しかし、この状況なら仕方がない。
「俺が病院に連れていくよ」
僕はそう言って車を取りに行った。すると、
「待て、俺も行く。俺の女に手を出したら承知しねーから」と彼氏の男が言い出した。
(はぁ?手を出すわけねーよ!そもそも、俺のタイプじゃねーし。もう辛くなるから、これ以上俺を傷つけるな!)