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【実話】起業失敗の地獄の末路・裏社会に引きずり込まれた悲惨な脱サラ体験談

起業失敗体験談サムネ 読み物

ある日の深夜2時くらいに電話が鳴った。X社長の従業員からだった。僕は近くの居酒屋でそこのオーナーと広告の打ち合わせをしていた。従業員はそのことを知っていたのだろう。X社長に届けてもらいたいものがあるから事務所に来て欲しいとのこと。別に苦ではなかったから事務所に向かった。

事務所に入るとデスクの上に小さな段ボールが1個置かれていた。サッカーボールくらいの大きさだ。そして、従業員の方が

とても重要な商品が入っています。これをX社長に届けてもらえますか?

僕は、「はい、分かりました」と返事をして小さな段ボールを受け取り、X社長に電話した。すると、ある公園に来てくれとのこと。

「なんで深夜の公園なんだ?」

僕は深くは考えずに車を走らせた。すぐに待ち合わせ場所の公園に到着した。深夜なので当然人の気配はない。そこでX社長は僕が来るのを待っていた。

預かった小さな段ボールをX社長に渡すと、X社長は血走った目でその段ボールを開け、あわてるようにガサガサと中身を確認した。僕はそのX社長の様子を見て動揺した。中身を確認して安心したのだろうか。X社長は冷静さを取り戻して僕にこう言った。

「中を見たかい?」

僕は、いいえと答えた。本当に見ていないし。するとX社長は、ニヤッと笑ってこう言った。

知らなくてもいい世界がある

「一体・・・あの段ボールの中身は何だったんだろう」

今でも分からない。ただ、昼間に堂々とやり取りできるものではなかったようだ。僕は深夜の公園に1人で立っていたが、背筋がゾクゾクとしてきて、X社長との関係を続けることに恐怖を感じた。しかし、僕は自分に言い聞かせた。

「大丈夫、成功したらX社長とは手を切ればいいんだ」と。

そうこうしているうちに、フリーペーパーの掲載を希望するお店が順調に増えていった。無料だからというのはもちろんある。しかし、応援してくれる掲載店が増えると喜びが増す。そろそろ、1冊目を出版しようと考えて、僕の貯金を使って出版することにした。ネットの印刷業者が製本までしてくれるので僕はデータだけ用意すればいい。便利な世の中だ。

地域のコンビニや施設に念願のフリーペーパー1号を無事に設置し終わった頃、X社長からこう言われた。

「君からは本気を感じない。なぜなら、サラリーマンとの兼業だからだ。平日の昼間は電話もできないし、本気でやるなら勤めている会社を辞めて本気という意思を示して欲しい」

実は、僕もそれを感じていた。サラリーマンをしていることで平日の昼間は営業できないので掲載できるお店が制限される。本来はもっと拡大できるのにチャンスを逃しているように感じていた。僕はいつも親切にアドバイスをくれるCさんに退職しようと考えていると相談してみた。すると、Cさんは

「まだ会社を辞めない方がいいと思う。うーん、でも君が退路を断って本気でやろうっていう気持ちが強くなってきたのであれば止めはしないけど」

僕は会社を退職することに決めた。これはX社長に言われたからではない。このフリーペーパー事業を絶対に成功させるんだ。中途半端な気持ちで向き合って後悔したくないと考えたからだ。

そして、その年の9月に会社を退職した。ゴールデンウィークにゼロからスタートして4か月でここまで来た。

もう後には戻れない。前に進むしかないんだ

しかし、残念ながら「前」もなかったんだけどね。

ある日のことだ。X社長から、あるスナックに来てくれと連絡があった。ドラマとかに出てくるような小さなカウンターがあるだけのシンプルなスナックでご夫婦で切り盛りされていた。とても腰の低い男性のオーナーYさんを紹介してもらった。X社長はこう言った。

「Yさんが君のフリーペーパーに載せたいって。Yさんはめちゃくちゃすごい人なんだよ」

Yさんは俳優の高橋一生さんのような雰囲気の方。とても穏やかな方で話し方も柔らかい。身長185cm以上はあっただろう。とても高かった。

Yさんの隣にはとても綺麗な女性がいた。この女性もYさんと一緒でとても穏やかな方だった。

先に紹介しておいた方が流れが分かりやすいと思うが、この穏やかそうなYさんが闇金ウシジマくんで例えると何と

「ハブ」

だった。先ほど書いたけど、X社長がYさんを紹介するときにこう言った。

Yさんはめちゃくちゃすごい人なんだよ

なんと驚くことにYさんは有名な暴力団の幹部の方だったんだ。

流れの展開を先に説明しておくと、僕はYさんを激怒させることになる。理由はウシジマくんと同じだ。ハブと中田の間にG10が入ってトラブルが起きたように、Yさんと僕の間にX社長が入ったことが原因だった。しかし、それはもうちょっと後の話だ。Yさんとの出会いに話を戻す。

X社長からこう頼まれた。

「Yさんの店をフリーペーパーに載せてくれるよね?」

僕はもちろんです。よろしくお願いしますと即答した。

第4回【栄光と転落】

第2回【前進】